前回の記事で
京急空港線穴守稲荷駅の「コンちゃん」を取り上げました。いつもなら撮影後に近くのスーパー「Fuji」でおやつを買うのですが、今回は一駅先へ行ってみることに。

京急空港線の天空橋駅近くの「駅前地蔵尊」です。この駅を境に東側は羽田空港の敷地となっていますが、海老取川対岸の西側は住宅街となっており、主な利用者はそこの住民ようです。東京モノレールとの乗換駅ですが、そちらの駅舎は少しはなれたところにあるため、乗換は地下の連絡改札を使用する方が便利です。
お地蔵さんが4体いて、それぞれ服が着せられています。冬なのでセーターとマフラー、帽子を着用しています。こちらについては「コンちゃん」のように公式に着せ替えのアナウンスがされていませんが、恐らく同様に有志の手によって実施されているものと思われます。
さて、この駅前地蔵尊ですが、実は厳密には「駅前」にありません。

上の写真は駅名の由来ともなっている「天空橋」です。海老取川にかかっており、住宅街と駅入口を結んでいます。この駅前地蔵尊は駅から見ると、天空橋の反対側の付け根のところにあります。「それなら駅前じゃないジャン!」と思うかもしれませんが、恐らくこれが「駅前」というには次のことが絡んでいそうです。

この地蔵尊の付近にある駐車場の写真です。実は天空橋駅が開業する以前にここに「羽田空港駅」がありました。といってもこの羽田空港駅は今のような空港アクセスの役割を果たしておらず、近隣の住民が使用するだけの駅でした(一応連絡バスとかはあったらしいです)。もちろん空港線も現在のような都心直通のエアポート快特が走るような路線ではなく、京急蒲田-羽田空港を3連の800形が行ったり来たりするだけのローカル線でした(だから
京急蒲田の第一京浜に単線の踏切を設置できたんでしょうね)。それが空港アクセスを本格的に担うため、既存の羽田空港駅を廃止して東京モノレールとの乗換駅となる「羽田駅(現・天空橋駅)」をことになり、駅の場所が海老取川の東側に移ったのでした。それが1993年4月1日のことでした。この像のところには建立が昭和63年8月12日と書かれていますが、この時はまだ旧羽田空港駅が営業している時期であるので、旧羽田空港駅の駅前地蔵尊として設置されたものと考えられるでしょう。時が過ぎてこの海老取川の西側に駅があったことを知る人も少なくなってきていると思いますが、この駅前地蔵尊はその事実をひっそりと示し続けていくことでしょう。

おまけ。天空橋と環八通り(穴守橋)の間にある「稲荷橋」という橋です。穴守稲荷神社を意識しているのか、朱色に塗られています。現在の穴守稲荷駅はかつてこの橋の名称を使用し、「稲荷橋駅」として営業していました。今の駅からは一駅分離れていますが、稲荷橋駅の時はもうちょっと橋に近い位置に駅があったそうです。今回の羽田空港駅も含めてこのあたりの駅の昔話を追うと、かなり奥が深いです。。。
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- 2013/01/26(土) 22:17:06|
- 駅前モニュメント
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| コメント:2
> こんばんは~
>
> 天空橋近辺はいろいろ変わりましたね。
>
> テレビでもいろいろ取り上げられていますし、
> 話題が豊富ですね。
>
> お地蔵さんも大変ですね。
こんばんは。
天空橋駅が羽田駅として開業した後も、旧国際線ビルが無くなったり、
新国際線ターミナルができたりと、海老取川の東側はいろいろ変わっていますね。
一方西側は企業のビルが建てられたりはしていますが、
住宅街としての街並みにあまり変化が無いところも、
対照的で面白いところです。
- 2013/01/27(日) 22:32:57 |
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