今回は一昨年のストックから。紹介するのは秋田県大館市にある、JR奥羽本線下川沿駅前にある石碑です。

ここの駅前にはちょっとした広場があるのですが、駅舎の真ん前に非常にわかりやすい石碑が設置されています。大きな字で「小林多喜二生誕の地」と彫られていますからね。

石碑の横には大館市観光課が設置した「どこでも博物館」という説明書きがあるのですが、この石碑はもともと1957年(昭和32年)7月に、この駅の従兄弟の小林俊二氏の芳志と当時の市議会副議長の呼びかけで、この駅の下りホームに設置されたもののようです。しかし1987年(昭和62年)2月に、全国の多喜二ファンからの募金により、この場所に移設されたそうです。もっと目立つところに置いてほしいという願いがあったのでしょう。

石碑の後ろ(道路側)には、移設前に設置されていたと思しき看板も移設されていました。そこには小林多喜二の経歴が書かれていましたが、それによれば生誕の地はここにあった下川沿村で、4歳の頃に一家そろって伯父のいる小樽へ移住したとのこと。その後、両親は小樽でパン屋を営業し、多喜二も小樽高等商業学校(現在の小樽商科大学)に進学、北海道拓殖銀行に就職したこと、有名な「蟹工船」を書いたこと、プロレタリア運動に参加して逮捕され、拷問の末死亡したことなど、一生が書かれています。こういう案内があると、歴史で名前を聞いたことがあるものの詳しく知らない人物について、わかりやすくてよいですね(私も日本史・文学史は弱いもので・・・)。
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- 2021/06/20(日) 03:00:00|
- 駅前モニュメント
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