今回は愛知県額田郡幸田町にある、JR東海道本線三ヶ根駅前からのネタを取り上げます。この駅は中京圏にあるので多くの列車がここを通過していくのですが、停車するのは日中は上下各2本の普通列車のみとなっている小さい駅です。ちなみにどうでもいいことですが、私はよくこの駅を仙山線の熊ヶ根駅と混同してしまいます。

この駅は開業したのが1967年(昭和42年)3月20日なのですが、東口駅前にはその日に設置された「三ヶ根駅建設記念碑」が設置されており、裏には駅建設の寄付をした人・企業の名前と寄付金が刻まれていました。表面にはこの駅開設までの経緯として、「この駅は明治41年設置の機を逸し世代は遷つたが約61年来の地元の宿願は多くの支援を呼び今日の竣工を見るに至る」と書かれていました。東海道本線の蒲郡-岡崎の駅設置は、1900年に当時の相見村で誘致運動が始まったのをきっかけに、深溝村(この駅のある場所のあたり)でも運動が始まり、結果として両村が合併する故に中間の幸田駅が1908年に開業したことで一旦収束しました。しかし誘致の願いはまだ残っており、結果として1967年にこの駅が、そして相見地区には2012年に相見駅が開業し、運動開始から112年経ってようやく両方の地区に駅が設置されるようになりました。都心部に住んでいて子供のころから近くに駅がある人生を歩んできた私ですが、こういうのを見ると、駅設置というのはやはり地元の人にとっては大きな願いなんだよなー、と改めて思います。

反対側の西口駅前には「三ヶ根山殉国七士廟参道」と書かれた石碑が設置されていました。文字の筆者は当時愛知県知事だった桑原幹根氏のようです。「殉国七士廟」とは三ヶ根山にある社であり、東京裁判によって死刑となった東條英機ら7名の軍事・政治関係者を祀っています。ちなみにこの社建設には地元でも賛否両論あったようですが、幡豆町が「観光価値向上」をアピールし、ここに設置されるようになったようです。ただ、現代においてこの三ヶ根駅がその施設への観光アクセス駅として機能しているとは思えませんけどね・・・(そもそもそんなに観光客が来ているのかな?)。
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- 2015/11/22(日) 15:00:00|
- 駅前モニュメント
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