今回は広島県廿日市市の南にある、JR山陽本線大野浦駅前のモニュメントを紹介します。広島方面からやってくる普通列車の一部が、この駅で折り返しています。

駅前には2つ石碑が設置されているのですが、1枚で2度おいしいという具合に、隣接されています。一つ目は左の「史跡 一里塚跡」という石碑ですが、これは西国街道の一里塚(大昔の道路に、1里(約3.927km)毎に設置した目印・距離標)がここにあったことを示しているようです。ちなみに広島市内の元安橋付近にある花時計のところには、「広島市道路元標」が設置されており、起点であることを示しています。なお、この大野浦は起点から6里の場所になるようです。
もう一方の今川貞世の歌碑ですが、「おおのうらの これかととえば やまなしの かたえのもみじ 色に出でつつ」と詠まれています。今川貞世(了俊)は鎌倉~南北朝~室町の時代の武将・守護大名で、和歌や紀行文などの著作もある人物です。室町時代である1371年9月21日に、九州探題に赴任する際に通りかかったこの場所でこの歌を詠んだそうなのですが、当時この場所は大野浦と呼ばれていたわけではないようで、現在でも地名は塩屋、海は大野瀬戸と呼ばれています。しかし鉄道開通時に駅が設置された際にはこの歌から「大野浦」という名前をとったということで、この歌碑が設置されているのです。駅名1つつけるのに和歌を持ってくるなんて、当時の人はなかなかのセンスを持っていたのだなと思います。
ちなみにこの大野浦駅は訪問時工事中でした。また線路の反対側にロータリーのようなものがあったのですが、通路が無く、近くの踏切まで迂回しなければ行くことができない状態でした。工事が終わったら反対側にも簡単に行けるようになるんでしょうかね?でもソレだと新しいモニュメントが設置されそうだなぁ・・・
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- 2015/11/29(日) 15:00:00|
- 駅前モニュメント
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