今回は岩手県から。紹介するのは田沢湖線小岩井駅前のものです。小岩井・・・と聞けば、だいたいどういうところか分かる人も多いと思います。

ここの駅前には宮沢賢治の「春と修羅」の中の長編詩「小岩井農場」の一説が刻まれた石碑が設置されています。「汽車からおりたひとたちは さつきたくさんあつたのだが みんな立かげの茶褐部落や 繋あたりへ往くらしい 西にまがつて見えなくなつた」とあります。地方の駅なので、列車が到着したときだけ人で賑わい、しばらく経つと静寂が戻る様が表現されていますかね。

説明については2箇所用意されており、一つには作品の一説であることと、それがこの小岩井駅を基点に始まっていることが書かれています。もう一つには「小岩井農場」を作るに当たって、実際に宮沢賢治がこの駅に降り立ち、農場までの道を歩く途中の心象をメモしていたことが書かれていました。まさに宮沢賢治自身が、私が先ほど書いたような駅前の情景を目の当たりにしていたのでしょうね。

ちなみにこの小岩井駅がある場所は岩手県の滝沢市という市なのですが、ここは2013年までは滝沢村という”日本一人口の多い村”で、「村」というブランドを維持するために市への昇格を進めていませんでした。また、IGRいわて銀河鉄道の方に滝沢駅が存在しているのですが、滝沢市役所の最寄はここの隣の大釜駅であり、村が広くてばらつきがあったことも市にならなかった理由の一つとしてあるようです。
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- 2016/09/02(金) 09:00:00|
- 駅前モニュメント
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