
今回は岩手県釜石市にある、JR釜石線陸中大橋駅前のモニュメントを紹介します。陸中大橋駅は花巻方にヘアピンカーブがあるところとしても知られていますが、ここはもともと釜石鉱山の最寄り駅ということもあり、石製の駅名標が駅の入り口付近に設置されていました。石製の駅名標自体は福岡県の
筑後船小屋駅にもあったので、珍しいものではありません。

しかしながら、ここは鉱山の最寄り駅ということで、鉱山で採掘されたと思われる鉱石が駅前に2種類展示されています。上の画像は白色石灰石で、
釜石鉱山のホームページの年表によれば、2001年(平成13年)まで採掘されていたようです。

もう一方の展示物は磁鉄鉱。もともと釜石鉱山は釜石駅前の製鉄所などで使用する鉄鉱石の採掘がメインだったので、こちらはかつての主力鉱石になります。なお、鉄鉱石の採掘は1993年(平成5年)に終了しており、白色石灰石の採掘終了よりも8年も早く終えてしまっています。

次は駅隣接の郵便局の脇に設置されている「史蹟 釜石街道仙人峠登り口」と刻まれた石柱です。仙人峠はここから北西の位置にある峠であり、かなり山深く標高の高いところを抜ける道となっています。”史蹟”ということなので昔から峠越えしていた人がいたのでしょうけど、随分きつかったでしょうねぇ・・・。今は国道283号線が整備されているので、自動車で行き来できるようになっています。

そんな峠越えをしたと思われる岩手県出身者が1人、ここに跡を残しています。そう、この辺りではお馴染みの作家・詩人である宮沢賢治です。ここには平成2年に設置された、「峠」という宮沢賢治の詩碑が設置されています。詩の中には「あんまり眩ゆく山がまはりをうねる」とか「鉄鉱床のダイナマイトだ いまのあやしい呟きは!」という表現があり、仙人峠の道と鉱山として栄えていたこの辺りの地域を表現しているのがわかりやすいです。
ちなみにここの駅は、列車が行き違い列車待ち合わせで長時間停車していたので、その間にちょろっと降りて撮影しました。ローカル線の旅ってそういうこともできるのが良いですよねぇ。
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- 2017/06/04(日) 15:00:00|
- 駅前モニュメント
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